ハラビロカマキリ

出身地は100万都市とはいえ、当時は子供が「探検」する空き地も多く背の丈くらいの木質化したセイタカアワダチソウの枯れ藪などがあちこちにりました。冬にそんなところで遊ぶとカマキリの卵を見つけたりしてうれしかったものです。
そのあたりで捕まえるカマキリといえばチョウセンカマキリと相場が決まっていましたが、子供というのは普通は手に入るものには夢中になりません。図鑑の中でオオカマキリを押しのけ、なによりあこがれたのがこのハラビロカマキリです。
ずっしりと安定感のある大きな腹部に、カマキリ特有の細くて硬い胸部、勝負師*1を思わせる顔つき。当時カマキリを最強の昆虫だと思っていた私はいつも図鑑のそのページを開いていました。

翻って、昨週末、家人に発見されたハラビロカマキリは冬を眼前にして息絶える寸前だったのかもしれません。弱々しい動きに最強の雰囲気はありません。いえ、たとえ元気であっても、この年になるとカマキリの腹部は柔らかくておいしいんだろうなと鳥や他の昆虫の視線で見てしまいます。そして危機に際して威嚇の姿勢こそとりますが、その緩慢な動きはハチなどに比べると見劣りします。
もちろん、食うか食われるかは油断のならぬところ。あるときはカマキリがハチに食われ、あるときはカマキリがハチを食います。そんなことを考えながら、意味も無くトウガラシの上でポーズを取らせて見ました。
カマキリの南蛮漬け。まずそぉ。

*1:というか、横山やすし

/* -----codeの行番号----- */