太陽輻射圧

二つ目のホイール故障以来、はやぶさチームは口をつぐみがちに見えます。水面下でミッション達成のために懸命の努力をしているだろうことは予想が付きますが、それにしても悪い話ほど早く、こまめに報告をと言うのが社会人の鉄則ですよ。民間では。
さて、ホイールが故障して帰還があやぶまれても各種の科学観測は行われます。以下は今日発表の太陽輻射圧の話。

太陽輻射圧で加速される量は1日でおよそ1cm/秒で、これは1日で約1kmの移動速度にあたります。「はやぶさ」はホームポジションでは高度を7kmくらいまで下げますから、この加速はとても大きくて、一生懸命流されるのを防ぐように制御を行わなくてはなりません。

太陽からの光の圧力*1はやぶさが定位置から流されていくという話。ヨットが風に吹かれるように宇宙船が光に吹かれて流されていくのです。びっくりですね。放っておくと1日に1kmくらいずれるとか。赤の女王じゃありませんが、イトカワ周辺はその場に留まるために大変な努力が必要な場所のようです*2
話が話だけに「一所懸命」と書いてほしかったです。てへ。

*1:光だけなんでしょうか。微粒子は?

*2:地球周辺でも実は重力異常や月、太陽による摂動で人工衛星の軌道は少しずつずれていきます

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