ホイールまた故障

この7月に3軸あるリアクション・ホイールのひとつが故障したはやぶさですが、さらにひとつ故障したと発表されています。リアクション・ホイールは電気エネルギーを使って姿勢を変える装置で、太陽電池とバッテリーが生きている限り燃料消費無しで姿勢を自由に変えられます。今回故障したホイールが生き返らないばあい、今後の姿勢変更は限られた化学燃料に頼らざるを得ません。
イトカワの重力が小さいこと、すでにイトカワの表面のマッピングは終わっていることから、慎重にやれば科学探査そのものはやれるでしょう。ただ、帰路の進路補正がどうなるかは発表を待たなければなりません。化学ロケットと違ってエンジンをふかしっぱなしのイオンロケットは姿勢に対してずっと敏感のように思えます。
イオンエンジンの信頼性検証のはずが、思わぬところで脚をすくわれた形です。次の探査機はホイールを4軸積んだほうがいいかも。
もうひとつ。昨日発表のニュース。ゲート・ポジションからのイトカワの撮影が終了したという報告に、「写真の発表が少ない」という声への回答が添えられています。

幸いにも、「はやぶさ」はとても科学的に価値の高い貴重な観測データをたくさん得ています。しかし、とくに画像情報は、高解像度であればあるほど、そのま ま科学的な解析に使うことができるため、不適切な解釈や見解を生む可能性があります。またプロジェクトは税金によってまかなわれているので、成果を正しく みなさまに還元していきたいと考えているところです。

「税金で運用しているのになぜ発表しない」って声が多かったんでしょうね。私もそう思います。NASAがばんばん写真を発表するのに慣れているだけに、上の言い訳にはちっとも説得力を感じません。なんかねぇ、

君たち素人がわかるような形に噛み砕いてあげるから、おとなしく待っていなさい。

てな、お役人の態度には飽き飽きなんですよ。

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