エン〜ジン〜停止ぃ〜〜

29日発表時点でイトカワまで4040Km。一秒間に9mくらい詰めているとのこと。イトカワはやぶさも軌道上を秒速20Km以上で運動しているでしょうから、ほんとうにじりじりと間を詰めているのですね。
宇宙研の新しいニュースリリースによると、はやぶさイトカワ接近に際してエンジンを停止しました。はやぶさは惑星探査機としては異例のイオンエンジン*1を搭載しており、イトカワまでの旅の大半をエンジンをふかしながらすごしました。はやぶさを除く宇宙探査機は化学燃料によるエンジン*2を短時間だけ噴射し、あとはニュートン力学の思し召しのままに軌道を運動します。イオンエンジンは化学燃料エンジンと異なり、もって行く燃料が少なくて済むため、同じロケットで打ち上げるならより多くの探査機械を積み込むことが出来ます。イオンエンジンの信頼性確立は、はやぶさの重要な役割のひとつです。
イオンエンジン停止を受けて、次はイトカワ上空20Kmへの移動が大きな作業となります。二年間休ませていた化学燃料エンジンを使うわけで、これも緊張する作業です*3
実際に、いつ何をするかはプレスリリースにもミッションシナリオにも書いていません。この辺がまだまだだなぁ、と思うところです。

軌道変換

はやぶさ」往復ミッションの約2/3の軌道変換を完了したことになります。

この表現は面白いですね。我々が「イトカワへの旅」と考えている行程は、宇宙研の人々にとっては打ち上げ後の軌道からイトカワ近接軌道への「変換」であるようです。はやぶさに携わっている人々の視点を垣間見たようで興味深かったです。

*1:電気を使ってイオンを加速して噴射するエンジン。車で言うとトップスピード重視。

*2:燃料を燃焼させて噴射するエンジン。車で言うとトルク重視

*3:「のぞみ」の火星探査失敗は化学燃料エンジンの動作不具合から始まった

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