酒バトン

id:v4641sgrさんが、渡米前の忙しい中にバトンを受け取ってくださいました。ありがとうございます。さて、v4641sgrさんといえば広島。広島といえば西条のつくり酒屋。それで思い出しました。
ある夏、ピンチヒッターで広島への出張を頼まれました。予定より早く仕事が終わり、駅前で時間をつぶしていると眼に入ったのが酒屋さん。年をとって暑さに弱くなったオヤジに一本贈ってやろうと思い立って入りました。しばらくひとりで見た後、店の奥に声をかけると、お年を召したご婦人がひとり現れました。どうやら、私に気を使わせないよう、店の奥で仕事をしていた模様。
地方発送してもらえることを確認したうえで、身内に贈り物を送りたいむね説明すると、一本の酒を選んでくれました。値段も手ごろですので、それをお願いして発送先の住所を書いていると、なんと
「味をごらんになりませんか」
と、冷えた酒を小さなグラスに注いでいるではないですか。買うことに決めて手続き中の客に商品の味見をすすめるとは、なんと気前のいいことでしょう。
「いえ、まだ仕事中ですから」
などと断る私ではありません。遠慮なくいただきました。これがうまい。暑さに疲れた体に染み入るようです。つられて自分用にもう一本求めました。(^^;
駅前の再開発が予定されていましたので、多分その店はもうないでしょう。長く商売を続けているお年寄りに特有の、あくの抜け落ちた、滑らかで美しい接客に心洗われるような時間でした。
だいぶ前の話で記憶があやふやになっていますが、「創」という銘柄を覚えています。多分亀齢酒造の酒でしょう。
あ、飲みたくなった。

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