なぜ衛星打ち上げ能力が必要か

id:choubeginnerさんのところにコメントとして書き込みましが、H2Aによる衛星打ち上げ費用は大体100億円前後とのことです。それに対して、今回H2Aを利用できないために委託したロシアのロケットは打ち上げ費用が10億円。Wikipediaによればこの打ち上げに使われるロケットは冷戦時代の大型ICBMをもとに開発されたとのことです。
軍需による量産効果の効かない日本の宇宙開発において大型衛星打ち上げ能力を高い金で維持する必要があるのか、という疑問は納税者としては当然のものです。
わたしは、「ある」と考えています。理由は単純で、軍事衛星はおろか民間用の衛星ですら、他国依存では思ったところに打ち上げられないからです。衛星軌道のうち、もっとも国際間の軋轢を生みやすいのは静止軌道です。この軌道は赤道上空にただ一本しかありません。通信衛星放送衛星気象衛星、その他常に見えていなければならない種類の衛星はここにあげるしかありません。しかも、衛星間の干渉を避けたければ衛星の距離がある程度必要です*1。そして、東経135度上空付近に衛星を打ち上げたい国はたくさんあるのです。日本ですらこの軌道の衛星の数が片手の指で足りるかわからないのです。韓国、中国、ロシア(極東)、オーストラリアなどと衛星軌道の奪い合いをしなければならないならば、このような高度な技術基盤の確保を独自の判断で行えない危うさというのは避けるべきです。
特に中韓がこれほど反日的な状況では、100億円かかろうとも他国の干渉にわずらわされない独自の打ち上げ技術が必要です。

*1:衛星放送のアンテナが2衛星対応なんてのがあるのはこのせい

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