発泡スチロール

石油化学製品のリサイクルを少し勉強してみました。プラスチックとか発泡スチロールとか無意識に言っていますが、それが何かは理解してないですよね。

発泡スチロールとは

発泡スチロールとは、ポリスチレン樹脂の加工品のひとつです。少量のポリスチレンに大量の気体を含ませることによって、軽くて安価な樹脂製品を作ることができます。作り方によっていくつかの種類があります。
ポリスチレンのビーズに気体を含ませ加温して膨らませたものがいわゆる発泡スチロールです。梱包材料などによく使われます。
ポリスチレンはそのほかにも紙状のものを発泡させて魚屋などで使うトレイにしたり*1、発泡させずにコップにしたり、軽く発泡させてカップ麺の容器にしたりと広く使われています。
参考:http://www.jepsra.gr.jp/

何で出来ている?

原子だけ数え上げると炭素、水素です。
スチレンというベンゼン環を含む分子を多数つなげて*2高分子*3にしたのがポリスチレンです。

毒性は?

ポリスチレンには毒性はありません。ただし、単体のスチレンには毒性があります。スチレン二個、あるいは三個を重合させたものにも毒性があるのではないかと疑われています。

燃やすとどうなる

ダイオキシンはでません。これは重要です。ポリスチレンには塩素が含まれていませんので、発泡スチロールを燃やしてもダイオキシンは発生しません。
なお、サイトによっては「ダイオキシンが出ないし燃やしても水と二酸化炭素になるので安全」といった書き方をしているところがありますが、これは十分な酸素の元で完全燃焼させた場合です。不完全燃焼した場合には煤が発生します。煤には発がん性物質が含まれるのはご存知のとおり。小型焼却炉や焚き火で燃やすと大量の煤が発生します。
小型の焼却炉で燃やすと、温度が上がりすぎて焼却炉が傷むおそれがあります。

リサイクル

材料に戻して再利用するマテリアル・リサイクルと燃やしてエネルギーにするサーマル・リサイクルがあります。

回収コスト

発泡スチロールは軽いため回収コストが小さい様に思えます。しかし、あまりに軽いため運送する場合のネックは容積になることに気をつけてください。一台のトラックに積載できる発泡スチロールはそれほど重くありません。わずかな重さの発泡スチロールを運送するために、重いトラックを動かさなければなりません。仮にサーマル・リサイクルした場合、発電所までの運送に必要な燃料とリサイクルできるエネルギーの比はどのくらいなのでしょうか。

森林にやさしいのか

発泡スチロール推進派は、木を切らないため地球に優しいという表現をします。しかし、これは発泡スチロールのマテリアル・リサイクルが100%の場合です。燃やした場合、化石燃料を燃やすのと同じであるため、空気中の二酸化炭素は増えます。
一方、木から作った製品を燃やした場合、森林開発を再生可能な程度にとどめておけば二酸化炭素は再び木や草に固定されます。そのため、空気中の二酸化炭素は増えません。もちろん、森林を再生不能なほど開発してしまうと*4、空気中の二酸化炭素は増えます。

*1:ポリスチレンペーパー

*2:重合

*3:ポリマー

*4:愛・地球博会場とか

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