脳みそオーバードライブ

id:moli-xiongの姉さんが「いつになく外国語が聞こえる日」について書いていらっしゃいます。id:moli-xiong:20040813#p1
私にも経験があります。もう7,8年前ですが、お客さんとともにテルアビブの開発本部に行った時のことです。行きの便で風邪を引いた私は、現地の同僚に風邪薬がないかたずねたのでした。
かみそりのような知性と柔らかい物腰で全社の尊敬を一心に受ける彼は、
「酔漢さん、どんな薬がいい?」
と聞いてきました。
「とにかく効くやつがいい」
「効くやつ?」
「うん」
そして渡してもらった薬を飲んだのが朝でした。
風邪気味の体での通訳を思って落ち込んでいた私は、かつてなかったほどの言語能力が自分に備わっていることに驚きました。(こ、これがクスリの力か)とおののきながらも、お客が話す日本語が滑らかな英語に、現地の技術者が話す英語がなめらかな日本語にかわります。その冴え方たるや、高周波、ディジタル回路、プログラムの専門技術者がかわるがわる話す中、話し終わる前に英語がでかかる始末です。あの時、私には確かに「ボールがとまって見えた」のでした。
そんな私も夕刻クスリが切れるころにはすっかりだめ社員に戻ったのでした。つくづくクスリの名前を聞いておけばよかったと後悔したものです。

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