FedEx

しょっぱなからいきなり中国語の罵声らしきものが飛び込む。大またで工場の中を歩いていく初老の男。への字の口、鋭い目つき、薄くなった頭。いかにも「一代で会社を興した」創業社長風。作業服を着て歩くその社長らしき男は中国語しかしゃべらないため何を怒っているのかはわからない。工場の労働者がびくびくしている。

その社長らしき男、工場の一角にあるガラス張りの部屋に入るといきなり噛み付くように何か言い放つ。部屋の中の机に座っているのは主任風。やはり作業服だが、こちらはいかにも若手のリーダーといった感じの男性。社長に比べるとかなり線が弱い。初老の男に少し小さな声で返すときつい中国語を浴びせられる。

しかし最後に若い男が小さな声で言う。「#=/%*?'~% FedEx $+/'」

それを聞いた初老の男、鋭い顔のまま少し考えたあと、「FedEx...」とつぶやき、わずかに表情が緩む。

いやはや。お見事としか言いようのないCMでした。FedExはかなりぶっ飛んだCMを流していますが、その中でもこのCMの出来は最高です。全編通して聞き取れる単語が"FedEx"だけ。しかし画面から何がおきているかは大体想像がつくため、セリフがわからない分だけ緊迫感がまします。そして二人の会話にあらわれるFedExというキーワード。
みんなFedExの名前なら知っている、ということを前提にした見事なCMでした。

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