松浦俊輔

限界に達するということ

ここ150年ほどの物理学史のうち、一番面白い部分の良い要約です。物理学に興味のある人ならば気楽に読める本ですが、全体を貫く問題意識はなかなかに深遠です。

週末向けの妄想

松浦氏の訳本には、繰り返し人間原理の話が出てきます。人間原理とは、ちょっと表現が難しい上に私もよく理解できていない可能性がありますが、かいつまんで言うとこういうことです。 人間が見ることが出来る宇宙は、人間が居そうな宇宙だけである たとえば…

早すぎた解説書?

「超ひも理論は量子力学と相対性理論を結びつける」という話は何度も聞いていたものの、実際どうやって結びつけるのかわかりやすい説明は読んだことがありませんでした。量子理論や相対性理論は難解ではありますが、これらについては高度な数学の知識が無く…

定数は一定か

「メートル」は人間が作った単位です。人間が消えれば意味はなくなります。「グラム」も人間が作った単位です。人間が消えれば意味はなくなります。「秒」も人間が作った単位です。人間が消えれば意味はなくなります。 光の速さがおよそ秒速30万キロメートル…

最高/最低

良い本とは何でしょうか。もちろん人によって違うと思いますが、読んで楽しい本が良い本であるということに対する異議は少ないでしょう。では、読んで楽しい本とは?私は以下の二つを挙げます。 内容がよい。 日本語がよい*1。 内容がすばらしく、日本語は限…

囚人のジレンマ

「囚人のジレンマ」とは次のような状況を言います*1。 二人のギャングが逮捕され、刑務所に拘留されている。二人は、互いに話をしたり、メッセージを交換したりすることが絶対にできない状況で、独房に入れられている。警察は、重罪で二人を有罪にするだけの…

ものが壊れるわけ

二日連続で紹介するとまるで一日で読み上げたようですが、そうではありません。昨日の本の紹介をサボってました。しかしこっちをさらっと読み終えられたのは事実。ものが壊れるわけ作者: マーク・E・エバハート,松浦俊輔出版社/メーカー: 河出書房新社発売日…

広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由―フェルミのパラドックス

エンリコ・フェルミは近代物理学を勉強した人ならみんな知っている物理学者です。あるいは物理学を勉強していなくても、アメリカの核開発史に関して本を読んだことがあるのなら、量子力学の解説書を読んだことがあるのなら、半導体工学を学んだことがあるの…

素数に憑かれた人たち ~リーマン予想への挑戦~

すばらしい本です。 ものの本で読んだところによると、通俗向け科学解説書(ポピュラー・サイエンス)には売れる分野が三つしかないそうです。 宇宙 量子 進化 結局「天地は如何に作られたか」「人は如何に作られたか」という聖書ネタが繰り返し読まれているだ…

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