胎教によいソースコード

ネタだとは思いますが、マジレス。
お勧めはPascal P4コンパイラのソースです。私が学生時代、必死で読んだソースコードのひとつです。大変美しいプログラムだったことが今でも印象に残っています。
当時はまだ、Pascalの「PascaでPascal処理系を記述できる」という点が特徴とされた時代でした。Pascal P4コンパイラはこの宣伝文句どおり、Pascal P4のコンパイラPascal自身で記述していました。
Pascal-P4コンパイラPascalプログラムをトップダウン構文解析を使って処理します。トップダウン構文解析は機会によるパーサージェネレーターではあまり使われないようですが、プログラムの構造が対象言語の文法構造をきれいになぞっていくため、美しい言語を美しく実装できます。Pascalの文法は拡張BNFで記述されており、トップダウン解析アルゴリズムで実装された構文解析部は文脈自由文法を再帰を使って美しく実装していました。
また、コンパイラ内部での識別子はrecord型*1を使ってあらわされており、それがリンクリストによって管理されていました。これらのリンクリストはPascal言語の入れ子になった名前スコープに対応して生前と生成、廃棄されていきます。
コンパイラが吐き出すのはP-CODEと呼ばれる中間コードです。このコードは仮想的なスタックマシンの命令であり、比較的実装が簡単でした。ターゲットにP-CODEインタープリターを実装することによって、P-CODEにコンパイルしたPascal P4コンパイラを走らせることができます。多少面倒に見えますが、磁気テープで異種コンピュータ間のデータやプログラムをやり取りしていた時代、新しく配備されたコンピュータに新しい言語をインストールすることは頭痛の種でした。PascalとP-CODEはこの「ブートストラップ問題」に、ひとつの模範を示しました。
Pascal P4のソースはおよそ40年前に書かれたものですが、今でも探せばネット上で見つけることができます。
その構造的な美しさは、胎教にぴったりと言えます。

*1:C言語の構造体