個人をターゲットとする選挙

ビッグデータ処理という、多分にバーチャルに思える処理に関する非常に重要な記事が出ています。現代のデータ処理アプローチに人間の営みを入力するとどうなるか、真剣に考えなければなりません。

1990年代後半、インターネットの普及によって「ワン・トゥ・ワン・マーケティング」というコンセプトが登場したが、それから十数年たった今、この選挙では個々の人間を相手とするコミュニケーションがすでに現実化し、大きな競争力の源泉となり、また実際に圧倒的な効果を生み出した、という見方もできるかもしれない。

オバマ陣営が選挙を戦ううえで行ったと思われるビッグ・データ処理に関して解説されています。ここにあることは要するに「少数のランダムデータで全体を予想することは無理なので、大きなデータをとり、それを個人の粒度で解析することで重要なパラメタを弁別し、精度を上げよう」ということです。
データの解析、という点でいえばその通りです。昔から言われていることですが、統計は影響の大きなパラメタをちゃんと分離して調べないとろくな結果が出ません。たとえば「日本人の収入」という統計を取るなら、少なくとも都道府県粒度の地域分けと、年代別処理をしなければまともな結果を出すための解析はできません。オバマ陣営のビックデータ処理は数百万、ひょっとする1千万以上の人間に対して個人を特定できるくらいの精度で情報を集め、集積し、それをもとに大規模運動を展開したのではないか、ということです。
データの処理はいいのですが、これは当然の結果として「だれが」「だれに」投票したのか完全に管理される未来はすぐそこに来ているということになります。
秘密選挙、という誰もが中学校で習った言葉の意味をもう一度考えなければなりません。