デバイスは素晴らしいがサービスで劣るSony Reader

あけましておめでとうございます。
昨年あまり更新のなかった当サイトですが、今年も地味に続けていきます。よろしくお願いします。
さて、昨年12月の半ばにほとんど衝動的にSony Readerを買いました。WiFiモデルです。

本当はAmazonKindle Paperwhiteを狙っていたのですが、「日本語モデルは1か月以上先まで入荷がないのに英語モデルは即納」であることにカチンと来て、さっさと乗り換えてしまいました。実はAndroid端末の中にKindle for Androidの本が数冊ありますが、あまり未練はないです。どれも文庫ですのでSony Readerで読みたくなればもう一冊買うでしょう。
これまで読み買いしたのは小説と漫画、それから手製のPDFです。そのあたりについて書いておきます。

テキストの読みやすさは抜群

多くのメディアで取り上げられている通り、電子インクを使った表示は読みやすいの一言です。紙と同じで明るいところほど読みやすいです。通勤途中の読書のように車内とプラットホームなど激しく明るさが変わる環境でも気分よく読むことができます。また、表示面積は文庫本より少し小さい程度です。部屋の明るさに応じて文字の大きさを自分で買えれば、文庫本並みにびっしりと文字を表示することもできますし、暗い部屋で読みやすいように大きくすることもできます。私は最近とくに視力が低下してきたので、下から3番目のやや大き目な文字を使っています。
ページめくりについては、テキストの場合16ページに1回画面リフレッシュのためのフラッシュが入りますが、たいして気になりません。
漫画は、通常の漫画単行本サイズより画面が小さいこと、最近の漫画は単行本では読みにくい細かい文字が多いことから、やや読みにくい印象があります。
全体の印象として、デバイスはよくできています。大きさもこれ以上大きくすると気楽な携帯に支障が出てくるでしょう。私は専用ハードケースに入れて、読みたいときに本を開くようにふたを開いて使用しています。

アプリのぎごちなさはソニー伝統なの?

Kindleが、書籍の実体をユーザーに渡さず、すべてクラウド管理するのに対して、Sony Readerは実体をユーザーに渡します。ユーザーはこの書籍の実体(ファイル)を読むときにログインすることで、どのようなデバイスでも読むことができます。本に名前を書いているようなものですね。
実体があることから、バックアップの必要がありますが、Sonyは専用のアプリを用意しています。これの使い勝手の悪さが残念です。というのは、手製のPDFをリーダーで読む場合はこのアプリを通して移動しなければならないのですが、PCと接続していない場合はエラーが出るのです。そんなの無視してアプリ内エリアにコピーしておき、後で接続できたときに同期すれば済むことですが、なぜかこのソフトはそれをしません。というか、こういう時こそP2Pを使ってWiFi経由で同期させればいいのですが、なぜそうしないのか不思議です。
同様に、購入した実体を管理アプリに登録したいと思っても、デバイスを接続しないとエラーが出ます。
そしてなにより、このアプリでは本が読めません!単なる管理アプリなのです。Walkmanは素晴らしいデバイスなのに、PCアプリでユーザーを減らしましたが、このアプリはそれ以下の品質です。

サービスは輪をかけて困惑する

Sony Readerの書籍販売サービスReader Storeですが、このサービスの出来が悪いのがSony Readerの最大の弱点でしょう。
第一に支払いの方法がよくないです。昨年購入した段階で、Reader Storeにアカウントを作ると500円のクーポンプレゼント、さらに早いもの勝ちでリーダー購入者に1000円プレゼント、さらに応募者に抽選で1000円のクーポンをプレゼント、というキャンペーンがありました。うれしい話です。幸い、全部いただくことができました。
ところがこのクーポン、2種類あるのです。最初の500円クーポンはアカウントに初めからチャージ(プリペイド)してあります。ところが後者は、書籍を購入するたびに、手作業で他桁の文字列を入力しなければなりません。
「はあ?」
というのが、正直な感想です。どうして1000円丸々チャージさせてくれないのでしょうか。というか、番号くらい記録してくれればいいのに。おかげで、Reader端末から買う場合も使いにくいソフトウェアキーボードから毎回入力です。くらくらするような話です。
これは改善すべきですよ。プレゼントを受け取ったユーザーが、プレゼントをあげたSonyに怒りを覚えるようなサービスを運営してはいけません。改善すべきです。ていうか、どうしてメールで送って入力させるの?アカウントにチャージしてくれればいいのに。
次に電子書籍しかないという点が欠点です。現在、日本の出版社は電子書籍化に重い腰を上げたばかりですので、品ぞろえはほんのわずかです。ところがReader Storeは電子的な本しかありませんから
「じゃ、ないなら紙の本を買うか」
と考えた時に、別のショップに行かなければなりません。めちゃくちゃ面倒です。これはまずいと思ったのがSony紀伊国屋のBook Webと手を組んでいますが、サイトの表示に検索結果としてbook webの検索結果と併記させるくらいしないと解決しない問題です。
また、ユーザー評価が全くないのもがっかりさせる点です。Amazonのユーザー評価はいろいろ問題があるとはいえ、読む側にそれなりの意識があれば非常に役に立つ情報です。ところが、Reader Storeにはそれがありません。そのせいか妙に硬い感じがして、本屋というより薄気味悪い博物館を覗いている気がします。
本を購入するたびも、購入ボタンを押すたびにバスケットのページに移動するため、まとめ買いが面倒でしかたありません。
最後に、Reader StoreではAmazonと違って書籍の実体をユーザーにダウンロードさせます。これ、評価する人もいますが、私は欠点だと思います。ダウンロードさせてもいいんです。でも、そんなのはユーザーが本当にダウンロードしたくなった時にさせればいいじゃないですか。実際の購入時にPCやユーザーに実体を本当に渡す必要なんかないんです。そんなことをするから、ダウンロードはできるけど表示できななんて中途半端な「管理アプリ」を作ってユーザーに押し付けなきゃなくなるのです。「PCで購入しました。Readerに勝手に落ちてきてそれを読みました。デバイスがいっぱいになったら古いものから消えました。バックアップしておきたかったのでPCのほうで後日サーバーから落としておきました」そうあるべきです。
なんだか、サービス全体に、頭の中だけで計画して作ったのを無理やり運営している、という印象がプンプンします。

改善を期待したい

とまあ、サービスについては不合格なのですが、それでも改善されることを期待します。Sonyというとデバイスからサービスまで展開できるほとんど日本唯一のメーカーですから。この会社にしっかりしてもらわないと、後は我々は蚕食されるばかりですよ。