グラフィックス・ボードを増設

2年前に購入したDELL Inspiron 580sに、グラフィックス・ボードを増設しました。AMD Radeon HD5450 搭載のファンレスボードです。
なんでいまさらそんな非力なものを、と笑われても仕方ないボードです。Radeon HD5450はやはり2年ほど前に発売されたもので、世代的には2世代前です。また、3D描画能力も私のPCに搭載されている、i3-530という最底辺プロセッサの内蔵グラフィックスと同程度の能力しかありません。じゃあなぜ買ったかというと、動画再生支援機能が欲しかったのです。
もともと私のPCは購入した時にはDVDしかついていませんでした。そのドライブをBDに変更し、BDドライブにおまけでついてきたPowerDVDOEM版から正規版にアップグレードしていました。が、こいつがろくすっぽ働いてくれなかったのです。なにしろ、BDをマウントしても全然中身が見えません。いつまでたってもインジケーターは「作業中」です。
かなりいじり倒しても働かなかったのであきらめたのですが、後で知ったのは「UDFファイルシステムが複数インストールされているとだめかもしれない」ということ。なんのこっちゃと言われそうです。UDFは、BDなどで使われている国際標準のファイル・システムです。ところが、Windowsは対応がOSによりまちまちです。そこで、サードパーティー製のDVD/BDソフトは自前のUDFファイルシステム・ドライバをインストールして使っています。ファイルシステムには優先順位がありますが、UDFのファイルシステムが複数インストールされ、しかも間違った優先順位がついていると、破綻することがあるとのことでした。
それが原因かどうかはわかりませんが、結局、1年ほど前にDELLにはじめからついていたDVD系のソフトを全部アンインストールしたところ、ファイルシステムの異常はなくなりました。
ところが、DIGAで録画した番組を見ようとすると、つっかえつっかえで、最後にはフリーズする始末です。市販のBDソフトも同じです。この時点で完全に諦めました。

ダイレクト録画なら再生できる

転機が訪れたのは最近です。気まぐれでBDを突っ込んでみたところ、きちんと再生できたのです。「あれ?」と思いながら調べてわかったのは、単純なことでした。地デジをTS録画*1すると再生できますが、DIGAでHXモード*2に変換するとPCで再生できません。地デジのTSはMPEG2圧縮されたデータ、DIGAのHXモードはH.264。超重量級圧縮方式のH.264に、i3の内蔵デコーダーが対応出来なかったようです。
そこでRadeonを買うことにしました。

Radeon HD5450

Radeon HD5450は2年ほど前に発売されたLSIです。最大の特徴は消費電力の小ささです。3D能力こそ小さいもののたかだか30Wしか食わないため、スリムPCで使用出来ます。そして何より、AMDのUVD2を搭載しているため、H.264などのストリームの再生を行うことができます。
驚くことに、このLSIを使ったグラフィック・ボード、3000円しないんですよね。

SAPPHIRE ビデオカードSAPPHIRE HD5450 512M DDR3 PCI-E HDMI/DVI-I/VGA 11166-01-20R

SAPPHIRE ビデオカードSAPPHIRE HD5450 512M DDR3 PCI-E HDMI/DVI-I/VGA 11166-01-20R

発売から2年経過しており、ドライバがこなれていることも期待できます。

結果

まず、地デジのTS録画の場合、以前と同じく再生できます。実は録画したコンテンツの場合、場面の切り替えで一箇所再生ソフトがフリーズするところがあるのですが、これはグラフィックスボードでも内蔵グラフィックスでも同じですのでPowerDVD10の不具合でしょう。
H.264モードの録画では、大幅に改善が見られました。まだ一部画像が乱れるところがありますが、その部分も乱れが改善されていますし何よりフリーズしなくなりました。次に、圧縮率を上げて試して見ました。私は普通はHXモード記録を使っていますが、その下のHEモード*3を試してみます。
HEモードの場合、さらに乱れは改善されて、ごく稀に「あれ?」と思う程度になりました。

CPU負荷

ところでCPU負荷ですが、内蔵グラフィックスでもRADEONでも10%弱あります。ネットで調べると1%なんて例があるのですが、はて、これは私のCPUが非力なせいか、なにかほかに理由があるのか、ちょっとわかりかねます。
上の試験結果では、H.264の場合、CPUの転送能力が問題に成っているようにも思えます。ユーザーの見えない所のバッファがカラになると言ったトラブルがあるのかもしれません。

そこそこ快適

これでとにかくPCでもBDを見ることができるようになりました。作業中、再生ウィンドウを隣に浮かべて「ながら作業」ができるので便利です。

*1:DIGAの用語ではDR記録

*2:単層BDに地デジを6時間記録できるH.264トランスコードモード

*3:単層BDに地デジを9時間記録できるH.264トランスコードモード

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