Chromeブラウザが仮想マシンになっている

Googleが、ブラウザアプリケーションだけですべてを完結させるChrome OS構想をぶち上げてずいぶん経ちます。その間、いくつものバージョンが重ねられた割にはGoogleが期待した速度でChrome OSが受け入れられているようには思えません。等と思っていたら、Chromeブラウザがいつの間にか凄まじいことになっていました。
今、この文書を作っているPCはWindows 7です。デスクトップ上にはChromeブラウザのウインドウが2枚浮かんでいます。これまでのわたしのデスクトップと違うのは、その2枚のウインドウが異なるブックマークを持ち、異なるアクセス履歴を持ち、異なるアカウントでgmailにログインしていることです。
こういった機能は、Firefoxにもあるのですが同時起動にはそれなりに手間がかかる等の難点があります。また、利用するシーンが少ないためか、あまり語られません。GoogleChromeブラウザは複数プロファイル同時使用の手間を極小化した上で、プロファイル情報をGoogleのサーバーに納めるという機能を追加しました。これによって、ユーザーは複数箇所にあるコンピュータで同じブラウザ環境を簡単に構築する事ができるようになりました。つまり、ブックマークや履歴がGoogleのサーバーに保管されており、クライアントのChromeブラウザがそれに同期するのです。
試してみたところ、これは思いの外便利です。以前もChromeブラウザは通常ウインドウとシークレット・ウインドウを切り替えることで同じサービスを別アカウントで使う事ができましたが、シークレット・ウインドウは閉じてしまえばすべて消えてしまうという難点がありました。複数プロファイルを使えばブックマークなどの環境が保存されることになります。
どうも、便利さというか、使い勝手の良さをうまく書き表せないのですが、Chromeブラウザのこの機能を使う内に、いつの間にか実体のないコンピュータをアカウント分持っているような気分になりました。わたしは自宅では2台PCを持っており、ラップトップの方は居間で使う事が多いです。このラップトップとメインのPCは簡単なファイル同期をしている程度ですが、Chromeのこの機能を使うようになってから、双方のブラウズ環境が完全に同じになりました。それだけではなく、わたしはChrome上に二つのアカウントを持っているので、常に2台の実体の無いポータブルな仮想マシンを、デスクトップで使えるようになりました。OSがWindowsLinuxかは問いません。もちろん、仮想マシンの中でできるのはブラウザアプリの実行だけですが、今時何がブラウザ上でできるかを考えれば、これは大変なことです。
Googleがやっている活動のうち、Chrome OSがらみのことはあまりうまくいっているように思えませんが、一方でChromeブラウザは大変な事が起きているな、と言うのが正直な感想です。