トースター

ずいぶん前に、トースターの両サイドが開いてパンを取り出せるトースターがあると聞いて探しているのですが、見つかりません。ヨーロッパ製で、何十年も基本デザインを変えていないらしいのですが。
さてい、いろいろ検索してみましたが、トースターの画像検索がおもしろいです。楽しいのやら、かっこいいのやら、いろいろあります。
横開き式というか、上に向かって横板が開くスタイルのトースターを探したのですが、結局現代では製造していない模様です。amazon.co.ukにもありませんでした。しかし、山のようなトースターサイトを見つけたのは収穫でした。クラシックなトースターが金属を使った工業製品であるだけでなく、インテリア・デザインとしても利用者に愛され、メーカーがそれに答えようとしていたことがよくわかります。
横開き式トースターを探していたのは、実は日経エレクトロニクスの昔の記事が頭に引っかかっていたからです。日本の製造業の行き詰まりの検証の中で、かつて「日本の無個性な製品がヨーロッパの製造業をなぎ倒し尽くした」という話が展開されていました。その生き残りとして、先の横開きトースターメーカーが紹介されていたのです。おそらく15年くらい前の記事です。
今回探していた中で同じような論が展開されている記事をみかけました。Gordon's Notes : The last good toasterです。ただし、信頼できるミドルクラスのトースターを駆逐したと名指しされているのは中国メーカーです。
どんな分野でもそうですが、いったん市場のバランスが崩れて大メーカーによる量産効果による価格競争「のみ」の市場になると、ユーザーは付加価値に興味を示さなくなるようです。トースターのように、かつてはインテリアとして存在感を放ったモノですら、そうです。まして、性能だけで勝負しようとすると、ユーザーが性能に満足した瞬間に敗北への道を歩むことになります。だれにもあらがえません。
日本製の家電製品は過剰品質と揶揄されますが、使ってみなければ、もっと言えば失ってみなければわからない細やかさというものもあります。すでにHDテレビは性能が飽和状態にあり、市場には外国メーカーが侵入しており、家電売り場のテレビコーナーは1年前から様変わりしています。やがてはこの市場も中国メーカーによるODMに置き換えられるのでしょう。
半世紀以上前のトースターの写真を眺めながら、そんなことを考えました。