ケルヒャーの高圧洗浄機

大掃除のシーズンと言うことで、毎年この時期は追い立てられるように家の掃除をしています。ま、私なんて割り当てられた最小限の分担をこなしているだけで、毎日計画通りのペースで家を磨き上げている家内の方が、本当は社会適合能力が高いんだよなぁと思う毎日です。ああ、早く引退したい。
それはともかく、今年、懸案だったケルヒャーの高圧洗浄機を購入し、この週末初仕事となりました。
購入したのはK 2.360です。

ケルヒャーの製品の最大の特徴は、その洗浄力ではなく「型番を聞いてもそれがどんなものか全く想像できない」ことにあります。K 2シリーズは同社の入門クラスに位置づけられていますが、ほんのわずかのバリエーションなのに目を疑うほど製品数が多く、しかもどれがどんな機能を持っているのかわかりにくいと言う困った製品構成です*1。これで世界的なシェアを確立しているのですから、うらやましい限りです。
さて、今回購入した2.360は、

  • 50/60Hz両対応
  • ため水対応
  • バリオスプレーランス

という特徴を持ったもので、おそらくほとんどの人がこれが欲しいと思うのではないかと思います。バリオスプレーランスというのはジェットの噴射口ノズルの一つで、噴射ジェットの圧力を変えられるものです。使って見るまではどのようジェットがいいのかわかりませんので、このノズルを一つ欲しいと思う人は多いのではないかと思います。結論だけ書いておくと、我が家の場合は不要でした。
ため水対応というのは、くみ置きしたバケツやポリタンクから水を吸い上げることができるかと言うことです。どういう理由かはわかりませんが、ケルヒャーの2シリーズのうちため水に対応しているのは二機種しかありません。外回りの掃除で水道からホースを引っ張ってこれない場所があるなら、ため水対応がいいでしょう。

洗浄力は強い

さて、使い心地ですが、汚れを落とす力については全く問題無く、予想以上でした。網戸に向かって高圧水を当てたのですが、仕上がりを見た家内が笑い出すほど綺麗になりました。
また、格子のついた勝手口の網戸や硝子の掃除ができなくて汚れっぱなしでしたが、当然高圧洗浄機を使って綺麗にすることができ、これも期待以上の仕上がりでした。
あちこちで言われているようにもっとも威力を発揮するのは打ちっ放しコンクリートの洗浄で、穴に詰まった苔や泥を瞬く間に吹き飛ばしてしまいます。

取り回しで悪戦苦闘

洗浄力が文句なく一級品である一方で、取り回しでは相当苦労しました。まず、作りの無骨さというか、洗練されていない点が上げられます。
梱包をひもとくと、車輪を取り付けるなどの組み立てをするのですが、一度組み立てると分解できません。つまり、二度と箱に収納できなくなります。と言うことは、使った後来年の大掃除まで箱に入れておくと言うことができないわけです。これは鍵付きのガレージをみんなが持っている国で作られた機械だと言うことを思い知らされます。
また、高圧水を扱うことからあちこち固いということは理解できるのですが、一部狭いところに指を入れて固い部品を回さなければならないところがあり、力をかけにくくて難儀する場面がありました。
加えて、ホース類の固さも注意が必要です。高圧ホースは固いため、庭の埋め込みや鉢を簡単に薙いでしまいます。狭い庭をやりくりして花を植えているような人は、同じ感覚でこの装置を使おうとすると苦労することになるでしょう。特に最初の一回はコツをつかむまで電源ケーブル、水道ホース、高圧ホースと格闘することになります。
水が跳ねるため安いカッパを用意して作業したのですが、それでも作業するときの足場は広く確保する必要があることに後で気がつきました。注意が必要です。

ため水

さて、本機の最大の特徴であるため水ですが、これはなるべく使わない事をお奨めします。機能が劣っているというわけではないのですが、特に呼び水を行うなどこつが必要であり、狭いところでは使いにくい機能なのです。庭の反対側までホースをのばせないのでため水、と考えているのなら、延長ホースをお奨めします。
呼び水は必ず必要な作業です。K2.360のポンプは水圧式であり、水が入っていない時には全く用をなしません。つまり、乾燥状態で水を吸い上げる能力は0なのです。サイホンの原理を使うなどしてサクション・ホースの中の空気を追い出し、タンクから流れ出てくる水をK2.360の中に案内してやって初めてポンプがその性能を発揮するようになります。
私は口をホースにつけて水を吸い出しましたが*2、雨水をためているような場面ではこの方法は使えません。ホース全体を握って水につけるなどして空気を追い出す必要があります。

高圧洗浄機とは綺麗にする機械ではない

さて、我が家は道路から何メートルか高い場所にあるため、打ちっ放しのコンクリートによる階段が据えてあります。この階段は北に面しており、梅雨の時期など汚い藻が表面にこびりつきます。
ケルヒャーの高圧洗浄機はこういった場所に最適です。実際使ってみると、ジェットを当てた部分がおもしろいくらい白くなります。コンクリの表面の穴に詰まった泥や藻を吹き飛ばしているのです。みるみるうちにコンクリが白くなっていく様は爽快ですらあります。
ところが、これが楽しいのは初めのうちだけでした。作業が進むうちに様相が一変してきます。最初に気づいたのは、泥の固まりが大量に足下にたまり始めたことです。想像以上の泥が出てきているのですが、それが固まって足下にたまってしまうのです。あわててこれを水で流そうとするのですが、水勢が強すぎて吹き飛ぶため、壁に泥がこびりついてしまいます。それを流すと今度は足下に泥が、という具合で、相当苦戦することになりました。気がつけば汗だくになっていました。
同じことをベランダ掃除の時にも感じました。芝っぽいプラスチックマットの下に埃がたまっているのでそれを吹き飛ばそうとしたのですが、思うように吹き飛ばせず、かえって壁を汚してしまいました。
一度やってみてわかったのですが、高圧洗浄機というのは、きれいにする機械ではなく、泥や汚れを吹き飛ばす機械だと言うことです。吹き飛んだ泥や汚れは、別の方法できれいにしてやる必要があります。

欠点はあるがおすすめはできる

取り回しの悪さや浮いた泥の始末に苦戦しはしましたが、猛烈な水流による洗浄力には文句のつけようがありません。コンクリや外回りの洗浄で苦労している方におすすめできます。

*1:おまけに、50/60Hz両対応できない製品がある!

*2:逆流防止弁がサクションホースについているので、比較的楽