29 用心棒日月抄

ああ、やっぱり藤沢はおもしろい。

用心棒日月抄 (新潮文庫)

用心棒日月抄 (新潮文庫)

主人公はわけあって故郷を捨ててきた脱藩浪人です。追っ手を逃れて江戸の人並みに紛れ、渋々用心棒で糊口を凌ぐ日々です。なるべくなら人目につきたくないものの、仕事柄夜出歩くことが多いせいか、いつしか水面下での赤穂浪人と吉良方の活動にすこしずつ関わりを持ってしまいます。
多少、まじめすぎておもしろみにかける主人公ですが、その脇を食えない口入れ屋と憎めない浪人仲間ががっちり固めて物語りを楽しいものにしています。一話ごとに違う女性が現れて、野郎どもが作る殺風景な話に鮮やかな色を添えているのもよいですね。