25 走れメロス

例によって「青春をこじらせた」以下略。

新釈 走れメロス 他四篇 (祥伝社文庫 も 10-1)

新釈 走れメロス 他四篇 (祥伝社文庫 も 10-1)

日本文学の名作を森見作品お馴染みの残念な大学生たちで書き直した作品集です。短篇集だけにテンポがよく、バカ話あり、切ない話あり、よくわからない話ありと筆者のよいところが出た短編集でした。
ところで、森見作品に出てくる中学二年生的大学生の特徴は男であるということです。対して女性陣はバカな男供というか、バカなことから一定の距離を保つ役が多いようです。例外的に「夜は短し…」のヒロインは自らバカな話に首を突っ込みたがる傾向がありますが、それはそれ、人生のどこかに楽しいことが落ちていないかキョロキョロしているだけで、自分からバカを創出する気概まではありません。その点において森見作品では男女の役割がまったく違います。
「またアホなもの作りましたね」
「いつまでバカなことしてるんですか」
といった、男連中の大騒ぎをスパッと切り捨てる小気味よさがすがすがしいです。半面、その仮借ない切れ味のよさは男連中を震え上がらせる事もあります。「邪眼」とはよくいったものです。