いろんな意味でキラーアプリケーション

大田出版の「超クソゲー」に、コナミが「ときめきメモリアル」を発売した後、コアですれたゲーマーたちが次々とNifty Serveから消息を絶っていく様が克明に描かれています。

超クソゲー (QJブックス (03))

超クソゲー (QJブックス (03))

邪道と馬鹿にしていたギャルゲーがあまりに正統的なゲームとして見事だったため、没入してしまっていたのでした。
で、最近話題のラブプラス。表紙がギャルゲーぽくないので、Amazonで紹介しやすいな。
ラブプラス

ラブプラス

有り体に言えば、女の子が「たまごっち」でたどった道です。が、ネット上の各方面に浮上しているコメントは中々すさまじいです*1。これが通勤中のキラーコンテンツ化すると、衰退しつつある漫画雑誌に深刻なダメージを与えるかもしれません。
ゲームに没入したまま帰ってこなくなるって話はストーリーとしてそれほど珍しくないです。「ハンター×ハンター」はグリードアイランド編、「ナツノクモ」は全編そのテーマです。

ナツノクモ 1 (IKKI COMICS)

ナツノクモ 1 (IKKI COMICS)

HUNTER X HUNTER 1 (ジャンプ・コミックス)

HUNTER X HUNTER 1 (ジャンプ・コミックス)

が、携帯ゲームにほんとに恋愛感情まで掴まれたらどうなるんですかね。据え置き型なら電源切ればおしまいですが、携帯型だと仕事と飯と寝るとき以外は常時はまりっぱなしですよ。
仮想アイドルを現実世界に引っ張り出して「XXは俺の嫁」って言った例だとこの話が古典的です。
あいどる (角川文庫)

あいどる (角川文庫)

でも、四六時中支配されっぱなしだとこの短編集の中の「究極の旋律」みたいな感じかな。コンピュータ生成の旋律に脳をブロックされて廃人化する話。
白鹿亭綺譚 (ハヤカワ文庫 SF 404)

白鹿亭綺譚 (ハヤカワ文庫 SF 404)

あと、ネタなのか本気なのか

DSの破壊は免れましたがソフトは取り上げられました。

彼女がマジで怒るほど、増田氏が(自分で意識しない間に)のめりこんでいたのなら、「ラブプラス」は本物なのかもしれません。本物の女の子大好きな諸氏におかれましては、「彼氏が『ラブプラス』にはまりつつある女の子」が狙い目ですよ。

追記

会社に来る前にあわてて書いたってのもありますが、なんか未消化なエントリですね。
ラブプラス」は、実生活での移動時間まで含めてプレイヤーのすべての時間を消費し続けるゲームになるのでしょうか。24時間ずっとある女の子のことだけを考える。というのは恋に他ならないのですが、その相手がゲーム機とはいえずっと一緒にいるなら、これはもう仮想じゃなくて恋人です。ウィリアム・ギブソンの「あいどる」の世界です。来ちゃったよ、サイバーパンク
あちこちのレビューや解説を見ると、ゲームを一歩抜け出て本当に人格として認識されているだけではなく、そばにいる人格として成立しているのかもしれません。仮にこのゲームがそこまで到達していないとしても、指示した方向性は注目に値します。
ギャルゲーの世界とは、プレイヤーがキャラクターに「チューリングテストを突破してほしい」と願う共同幻想だと思われます。「ラブプラス」はアプローチしてクリアするという枠組みではなく、付き合い始めてからの時間の流れをともにするという意味で、一層人格的な身近さを構築できるかもしれません。一般的なゲームと違う耽溺性を築き上げる可能性があります*2
仮にこのゲームが指し示す方向性が寝食労学まで含めた時間の奪取であるのなら、「悪い女に捕まって身を持ち崩すプレイヤー」が大量に生まれる未来が来るでしょうか。来るかもしれません。その効果は麻薬と同じです。とすると、ゲームを発売する前に安全性を厚生労働省がチェックしたり、あるいは特定ゲームを所持しているだけで逮捕される日が来るのでしょう。

*1:私はゲームはしませんが、ゲーマーのコメントを読むのは楽しい

*2:デートゲーム?