メモ代わり
説得するプレゼンと説明するプレゼン
自分が関わる範囲のプレゼンには2種類あります。説得するプレゼンと説明するプレゼン。前者は「買ってください」とお願いするプレゼン。後者は「こう使います」と説明するプレゼン。両者の最大の違いは聞く側が商品にお金を出したか否かです。
- 買ってください
- お金を出す価値があるかどうか未だ決めていない。たいていは出す気がない。下手をすると、その場で聞いていることすら時間と金の無駄と思われかねない。基本的にこちらのことを詐欺師か何かと疑っているが、それでも商機があるなら逃したくないと思って聞いている。
- こう使います
- すでにお金を出したので、是が非でも有効活用しなければならない。ほんのわずかであっても、よりよい情報をむしり取る気で聞いている。
まぁ、後者は嘘ですね。参加者といわれる人の1/3位は「今日はオフィスから出られて楽しいな」くらいの気持ちで来ていましたよ。世界中誰でも知っているような大会社から来た二人組が、話しかけてもニヤニヤするだけでキモかったこともあります。もっとも、基幹製品の設計をやっている人なんかは目の色が違います。
前者は鉄板。
説得するプレゼンの場合、なんと言っても相手の心をつかむ必要があります。で、問題は相手が誰かってことです。プレゼンの目的は決まってますので、その件のキーマンになる人を事前に当たりをつけて知っておく必要があります。始めるまでわからなければ、プレゼンの最中の重要なキーワードや問いかけへの反応を見ながら、誰が一番切れ者でキーマンっぽいか探ります。
キーマンがわかれば、あとは、彼を中心にして視線を交わしながら話を進めます。
また、説得するプレゼンの場合、キーマンを中心とした参加者の心をつかむことが何より重要です。たまに軽い話題を交えて相手の心の壁を融かさなければならなりません。一旦融かしてしまったら、「現状の顧客の問題」「市場の動向」「自分たちが提供する解決策」「それによってどれだけのメリットを見込めるか」という王道プレゼンで大丈夫です。というか、それ以外の筋道はあるんかいな。
説明するプレゼンは、いわゆるセミナーです。セミナーですので最も重要なのは知識です。
- マニュアルの読み方
- とっかかりの操作の仕方
- よくある失敗
などを体系的に説明します。特に3番目が重要です。顧客が自社製品を使った開発で失敗すると、自社製品の印象が悪くなるだけではなく、ビジネスのTATが悪くなります。自社製品の欠点をべらべらしゃべるのも変に思えますがですが、問題は問題として正しく伝えてそれを回避する方法を伝えるのはとても大事なことです。もちろん、イメージを悪くしないように伝えなければなりません。
カリスマのプレゼンは参考にならん
だって私ゃカリスマじゃないですから。カリスマCEOが1千の信者に新たな福音を紹介するプレゼンは、参考になりません。字が多いと言われようと、持って帰って見直したときに資料になるようなプレゼンを作ります。
つくづくセミナー講師だなぁ。