02 源氏物語 瀬戸内寂聴版 巻二

読了しました。
この巻では源氏の君の鬼畜っぷりが一層激しくなり、それとともに泣かされる女性たちの哀れが引き立ちます。だんだんこの小説の楽しみ方がわかってきました。女性の哀れを愛でる小説なんですね。東洋のラスプーチン、触れる女性を片っ端から災いに巻き込む「逆ミダス王の指」、源氏の君を軸に、美しくも悲しい女性のエピソードが風に散らされる花びらのようにちりばめられています。

源氏物語  巻二 (講談社文庫)

源氏物語 巻二 (講談社文庫)

この巻では「花宴」の段、朧月夜の君が詠んだ:

憂き身世にやがて消えなば尋ねても草の原をば問はじとや思ふ

がいいですね。無理矢理体を奪った男に、「名を教えなければ愛してくれぬと言うのですか、なんと冷たい」と、つややかになじる様が印象的です。朧月夜の君の姿が目に浮かぶようです。