Windows Liveの同期について(その2 : Outlook Connector)

ExchangeサーバーとOutlookの連携は快適でしたが、さすがに自宅にそんなサーバーを立てて運用する気はありません。そこで調べてみるとExchangeサーバーのアカウントをレンタルしている例を見つけました。
私と同じようなことを考えていた先人はたくさんいたらしく、検索してみると使用感もまずまずのよう、ただ、海外のプロバイダであることからサービスの持続性に心配がありました。私の場合以前からメール・アドレスをとっかえひっかえしており、友人達の評判はすこぶる悪いです。一方で、ネット・サービス登録用アカウントと友人達との連絡用アカウントを変えたいといった希望もあり、専用ドメイン名を登録して複数のアカウントを取得したいと思っていました。専用ドメイン名をとれば、接続プロバイダを変えてもURLは変わらないですからね。

Office Live

そうこうしているうちに、MicrosoftOffice Live Essentialのベータ運用を開始しました。格安でサービスをレンタルし、メール・アカウントも複数取得可能、しかもドメインの取得と管理はMicrosoftがやるという、魅力的なサービスでした。
1も2もなく飛びついたのは、私がこれをExchangeサービスだと誤解していたからです。つまりは、Windows Liveについてまったく理解していなかったということです。
Windows LiveGoogleがネット・サービスを拠点としてクライアントに攻め込んでくることに危機感を抱いたMicrosoftが、PCを拠点にネット側に攻め込むために構築を始めたサービス群です*1。巨大な陣地の構築に時間がかかるように、Windows Liveの構築にも時間がかかっています。
“Live”はPCの上に静的にインストールされたサービスではなく、ネット上の生きているサービスと言う意味があったと思われますが、この時点で私はLiveが何を指すかわかっていませんでした。そのため、Office Liveとは「Windows Liveのサービスを単一ドメイン名とアカウント管理で束ね、Sharepointサービスを追加したもの」であることに気づいたのはサービス契約をしたあとでした。
何にせよ、Office LiveWindows Liveの上に構築されていますので、Windows Live IDを取得することとなり、自動的にWindows Liveの他のサービスも使えるようになります。しかし、私はMessenger等のサービスには興味がありませんでした。メール、アドレス帳、スケジュールがしっかり使えればそれでよかったのです。

Outlook Connector

Office Live ( Windows Live )のメール・サービスはWindows Live Hotmailと呼ばれます。これはかつてHotmailと呼ばれていたサービスをLive向けにアップデートしたものです*2
私が契約を結んだ時点で、MirosoftはOutlook向けの同期ソフトとしてOutlook Connectorを用意していました。このソフトはWindows Live Hotmailサーバー上のメールとアドレス帳データをクライアントPCのOutlookと同期するものでした。当初カレンダー同期もなかった覚えがありますが、これはひょっとするとWindows Liveのフリー版の話で、Office Liveでは提供されていたかもしれません。
Outlookと携帯の接続はNokia PC Syncですので会社と変わりません。全体の構成はこんな感じになりました。

メモがありませんが、私にはそれほど大きな問題ではありません。全体的に使い勝手がいいシステムになりましたが、一方で厳しい問題もありました。

Outlook Connectorの問題

まず、Outlook Connectorが信頼できないのが問題です。このソフトは数ヶ月に一度、同期が外れます。そして同期が外れると、もう元には戻りません。再同期コマンドはないのです。同期を取り戻すには、いったんOutlookの同期用アカウントを削除して、作り直すしかありません。サーバー上のデータは傷つかないとはいえ、サーバー上のデータをWEBメール(Hotmail)で見る以外に同期外れを知る方法はないため、嫌な思いをします*3
次に、アドレス帳のデータを勝手に改ざんするという問題があります。Outlookのアドレス帳には「表示名」というフィールドがあります。これはメール・アドレス欄に表示する文字列を指定するものです。私は長い経験から日本人であってもここに英語の文字列を入れています。通常は社名を大文字で、名字を最初の一文字を除いて小文字で書いています。こうするのは宛先の一部に外国人を含むメールで、アドレス部の表記が日本語になるのが嫌だったからです*4
さて、Office Liveを使い出してしばらく後、とんでもないことに気がつきました。このフィールドが勝手に変わっているのです。バックアップをとっていたため事なきを得ましたが、理由がわかりません。やがて、同期をとると勝手にOutlook Connectorが書き換えるのだとわかりました。Outlook Connectorのサポート窓口がわからなかったため、USのMicrosoftのフォーラムで質問しましたが、てんで要領を得ません。フォーラムでの肩書きだけはすばらしい、エキスパート・ユーザーともMS社員ともわからない人物が、「お前は勘違いしている、そのフィールドは変更不能だ」を繰り返すばかりです。実際、Microsoftが公開している資料ではそのフィールドは変更不能です。単にドキュメントが実装に追いついていないだけですが、だんだん不愉快になったので匙を投げました*5
さらに、Outlookで作ったメールをHotmailで確認すると、まれに作成者やタイトルが空欄になるという問題があります。ところが、メールをHotmailで開いてみると作成者もタイトルも当然のようにそこにあります。どうやらOutlook ConnectorHotmailAPIを使うときにポカをすることがあるようです。

Outlook Connectorはお奨めできない

結局、全体的に感触はいいのですがOutlook Connectorを使うOffice Liveは他人にはお勧めできないというのが今の状況です
(つづく)

*1:実際には既存のサービスのブランドを整えて再構築しているものも多い

*2:一時期、Windows Live Mailと呼ばれることになっていたらしい。しかし、クライアント側に開発されていたWindows Live Mail Desktopと紛らわしいのでHotmailの名を残したとのこと。おかげで今でも検索結果は大混乱している

*3:最後に同期が外れたのはこの夏

*4:この点に無頓着な人はとても多い。そもそもOutlook 97ではこの文字列を指定出来ず、漢字で名前を入力すると強制的に漢字がメール・アドレスに表示された。クレームの電話を入れたことがある

*5:一応Microsoftには報告している