営業に学ぶことはとても多い

社会に出てしばらく、開発の仕事をしていました。志望して就いた職ですが、忙しいの何の。「俺たちはこんなにがんばっているのに」と営業に当たりちらすこともしばしば。その後開発を離れて客先に行く仕事に就きましたが、(ああ、営業の連中はこんなに苦労していたのか)と自分の視野の狭さを恥じました。
営業職にある人は、自分の責任でないことで客に怒られています。
学校じゃないわけですからがんばっていても何の価値もありません。会社にとっては結果を出して何ぼです。客もそれを要求しています。営業は結果を出せないことを客に起こられているのですが、結果を出していないのは開発部隊です。
じゃ、「私のせいではありません」と営業が開き直るかというと、そんなことはありません。彼らはそんなことをしても何の結果も生まないことをよく知っていますから。
営業職がどれほど重要でありがたいか、新人の技術者には口をすっぱくして説明するのですが、なかなか伝わりません。「いいから一緒に客先にいってこい」と同行させてもなかなかいい反応はありません。自分がつらい目にあわないと分からないかなぁ。
営業職のベテランの仕事っぷりを見たければ、トラブル時にどう振舞っているかを見るとよいでしょう。以下、私が感じたこととか。

話をそらす
ベテランは、いい意味で話をそらします。技術職だとプライドなんかもあって真っ向から相手の言葉を受け止め、それをその場で解決しようと*1しますが、ベテランの営業はそれをしません。まるで剣術の達人か何かのように相手の力を受け流します。
妥協点を探る
落としどころを探す、などとも言います。怒り狂った客から次々浴びせられる難題*2のうち、本当に重要で今やることはどれかをその場で摘み上げます。全部相手の言うことをハイハイ聞いていると開発部隊がパンクします。そうなると、顧客の問題は一切解決しなくなります。また、トラブルが深刻なほど、顧客にも限定解を受け入れる余地があるものです。
問題を解決しようとしているのだと相手に理解させる
怒り狂っている相手にも、丁寧に話し、自分が相手の問題を解決する方法を探しているのだと理解させることで落ち着かせることができます。

どれも、私が不得手とすることばかりです。技術職に就きたいなんて人は、こういう真っ向勝負を避けるやり方を嫌うかもしれません。しかし、対人交渉力が低い間は、下っ端生活は終わらないんですよね。爆発寸前の顧客をなだめ、うまいこと仕事を回し続ける人を何人も知っています。

*1:つまりは顧客の意見を粉砕しようと

*2:客にしてみれば全部が緊急かつ必須な要望