みそすり

外力がない場合の歳差について、M3さんから実験結果を教えていただきました。ありがとうございます。
これをヒントにもう一度歳差について調べなおして、結局Wikipedia歳差の項にたどり着き、概略を理解することが出来ました。最初からそこに行けばよかったのですが、多分あまり考えを練らずに読んでも理解できなかったことでしょう。
Wikipediaでは剛体が慣性主軸*1まわりの自転をしている場合とそうでない場合についてはっきり分けています。
M3さんの実験されたのは、おそらく剛体が慣性主軸周りの自転をしており、かつ外力を受けている場合の歳差です。この場合、主軸周りの自転は変わらず、軸が剛体ごと方向を変える運動になります。これは私が地球に関して理解していた歳差そのもので、M3さんの指摘どおり、外力が抜けると歳差運動は停止し、自転軸は同じ方向を向き続けます。
それとは別に、慣性主軸でない自転軸をもつ運動は外力無しでも自転軸そのものが慣性主軸の周りを運動します。これは私が理解していなかった点です。id:foodpさんが教えてくださった2chでのテニスラケットの定理論議は、結局これを語っていたことになります。私はこれに関してよく理解していなかったために間違って退けていたのでした。
ということで、「はやぶさ」はおそらくこんな状態にあると思われます。

セーフホールドモードにあった「はやぶさ」は、慣性モーメント最大であるZ軸周りの自転をしていた。しかし、11月8日、それまで機体内にたまっていたガスの漏洩が原因と思われるトルクにより自転軸がZ軸からずれ、自由歳差運動が始まった。JAXAは60%の確率でこの運動がZ軸周りで地球と交信可能な自転に収束すると考えている

http://www.jaxa.jp/press/2005/12/20051214_hayabusa_j.html
門外漢の誤りを指摘してくださったM3さんにお礼申し上げます。また、foodpさんには正しい指摘をしていただいたにもかかわらず、退けてしまうという恥ずかしいことをしてしまいました。この場を借りてお詫び申し上げます。

*1:この慣性主軸がまた難しいですが

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