デュアルコアのモバイルプロセッサ

Intelの将来のMobile CPU "Jonah"に関する記事が出ています。

Intelの次々世代モバイルCPU「Jonah」はデュアルコアで登場

インテルは面白いところをついてきましたね。シングルプロセッサで周波数を上げるには、それ以上に消費電力を引き上げなければいけないという問題を別角度でついてきた製品企画です。
モバイルCPUではよく使われている技術ですが、動作周波数を下げるときに同時に電圧を下げて節約する方法があります。すこし詳しく見てみましょう。もれ電流を無視すると動作周波数を1/2にすることによって消費電流は1/2になりますから電力も1/2になります。ところが、動作周波数が1/2なら少し電圧を落としても動作します。そこで先ほどの80%まで電圧を落としたとしましょう。すると電流も80%になるので消費電力は64%になります。これと先ほどの1/2の積をとると32%。周波数を1/2にすることで消費電力を1/3に出来ました。
TDPというノートPC設計枠からみるとデュアルコア化で消費電力が上がることは大きな損失ですが、上の特徴を整理するとシングルコアに対するデュアルコア化のメリットはこうなります。

  • 同じ性能なら消費電力はより低くなる(先の例だと64%の消費電力で同じ性能を出せる)。
  • 同じ消費電力なら性能はより高くなる(先の例だとおおよそ20%から40%は性能があがる)。

つまり、40Wを超えるというデュアルコアプロセッサの予想TDPにとらわれるから悪く見えるのであって、現在のTDPで縛っても確実にノートPCの性能は上がるということです。
ただしこれは並列に動いているスレッドが多い場合であって、ノートPCで文書を作っているような実際にはほとんどのスレッドが休止しているためにデュアルコアのメリットがありません。それがシングルコアへの縮退モードを実装する理由でしょう。この場合、漏れ電流を抑えたければ片方のコアの電源を切るしかないのですが、そうするとリセット状態からはじめなければなりません。そうではなくて単なる低電圧DC待機状態であるならば、何らかの漏れ電流問題が発生するかもしれません。あるいはTransmetaがちらつかせるような驚きの漏れ電流制御技術があるのでしょうか。
面白い製品企画です。
なお、この発想は体積あたりの性能を重視するブレードサーバーにぴったりですのでそちらのほうにも打って出るかもしれません。Xeonをいまさらデュアルコアにしても電源設計や放熱の絶対量が増えてコスト高につながります。もともと消費電力の少ないモバイル品だから出来た技でしょう。
デスクトップ用にもほしい製品です。