Groove Workspace

社内にはGroove Networks社のPeer-to-Peer製品、Groove Workspaceのファンがたくさんいます。意見を聞いてみると「Perfect Solution」「I love it」など賞賛の声ばかり。たまに「Grooveの欠点はメールと違って仕事にリアルタイムに割り込んでこないことだ」などという意見もありますが、実はこれは知らないだけで実はポップアップで通知できます。
Groove WorkspaceとはWindowsで動くファイル共有ソフトです。ビジネス用のグループウェアとして開発されており、メンバー全員が、ファイル、BBS、チャット、スケジューラー、プロジェクト管理ツール、ドキュメント・レビューツールなどを共有できます。P2Pですので、これら全部の同期はバックグラウンドで自動的に行われます。
社内にこのソフトを賞賛する声が多いのは、"Distance Engineer"と呼ばれる一匹狼が多いためです。北米には「うちの州は俺だけ」などという技術者がたくさんいますし、欧州には一人一国のところもあります。彼らは物流を代理店に任せ、主に売り込みと設計時の技術的なサポートを行います。そういった彼らにとって、孤立しているという状態は常に情報欠如の危機と背中合わせです。とくにチームとしてプロジェクトに参加していると、本社の技術者が立ち話で共有している重要な情報を自分だけが入手できないこともあります。また、本社の技術者なら知っているファイルのありかを知らないこともあります。共有ファイルシステムは個人で把握できないほど巨大なディレクトリ構造になっていますし、毎日あふれかえるメールに埋もれて重要なメールを探し出すどころか読むことも困難です。
ところが、Grooveを使うと他から隔離されたプロジェクト専用空間を簡単に作り、メンバーが自由にファイルを共有できます。同様のシステムはマイクロソフトSharepointとして共有していますが、Grooveはこれに対して

  • 中央サーバーを管理する必要がない
  • サーバー管理者にワークスペース設置のお伺いを立てなくていい
  • ファイルを持ち歩ける

といった利点があります。こういった中央から独立した自由さと、小グループの居心地よさを作り上げる点が社内の一人で働く技術者に愛されている理由のようです。Grooveは通信が暗号化されており、共有空間の名前もすべて非公開なことが業務に使う上でも便利です。また、メールと連結していませんのでスパムに悩むこともありません。

一方で、Grooveでは他のP2Pソフトのような大規模な訴訟沙汰が起きていません。これは、Grooveの通信がGroove Networks社のサーバーを介しているためだと思われます。違法コピー常習者は通信記録から足がつくのをいやがりますのでGrooveは大規模な違法コピーに使われないようです。

非常に便利なGrooveですが、残念ながらビジネスはうまくいっていません。これまで合計で150億円以上の投資を集めていますが、リストラを敢行するなど、状況は思わしくありません。では、今にも潰れそうなほど危ないかというとそうでもないのが面白いところです。主な投資者はマイクロソフトインテルといったより大規模なPC、ネットワーク利用を望む会社であり、彼らがP2Pに期待する限り、Groove Networksは活動を続けるのでしょう。マイクロソフトが大規模な投資を行って以来、Grooveはオフィスの連携を強めています。また、先のMS Sharepointに対してMobile機能を与えるのもGrooveの役目となっています。

Groove Workspaceは最初の2ヶ月間無料で使えます。また、無料で使用している間、参加できる共有空間は最大3つに限られます。そして2ヶ月たつと通信速度がモデム並みになるよう制限を受けます。
個人が非営利に使う場合にはこのまま2ヶ月経過した後も無料で使い続けることが許されています。営利利用が目的の場合や上の制限をはずしたければ69ドルでライセンスを購入することができます。社内の連中を見ていると、最初はただで使っていても他人に勧めたが最後、あっというまに社内で共有空間が増殖するために結局ライセンス購入にいたるようである意味中毒性があるのかもしれません。

とまぁ、仕事に便利なツールですが結構遊びにも使えそうです。社会人クラブなんかで使うとスケジュールや地図の共有、話し合い、役割分担が簡単にできます。