Tigerfibel

ここ数日、インフルエンザでダウンしていました。ダウンといっても最近は新薬のおかげで治療を受ければ次の日には気分は改善しています。ただ、法定伝染病なのとウィルスが消滅したわけじゃないので家族にうつさないようベッドでおとなしくしていました。 暇…

「いわゆる天使の文化祭」

最近ミステリづいているわけでもないと思っているのですが、端から見るとミステリ付いているのかもしれません。夏に読んだ米澤穂信の影響ですね。いわゆる天使の文化祭 (創元推理文庫)作者: 似鳥鶏出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2011/12/10メディア: …

年末休暇のお奨め

年末何してすごそうか、って方に読書を提案します。以下、つらつらといくつかのカテゴリで。 一般小説 時代小説 SF 科学解説

プシュケの涙

読んで心を動かされても、なかなか感想を書く気になれない本があります。特に、精神的に参っているときに読んで余計落ち込んだ本などというモノは、なかなか紹介しにくいです。それでも良い本だから紹介したいんですけどね。何にせよ、放っておけばたまって…

虐殺器官

「伊藤計劃」という名前はリアルやらネットやらで耳にしていました。ツイッターではTLで繰り返し聞きますし、本好きの友人からもその名を聞きます。 ところが、この人の「メタルギア・ソリッド」がとんだ駄作でして、分厚い内容の割に中身のない話に頭を抱え…

太平洋ひとりぼっち

小学生のころ、「図書」という時間が時間割にありました。 一クラス全員が図書室に移動し、本棚を物色して好きな本を読み、借りる本を決めるという時間です。借りる場合には代本板というものを借りる本の位置に差し込んでおきました。返すときに間違わない用…

ビブリア古書堂の事件手帖

この夏は米澤穂信にすっかりはまっていたわけですが、同じ「日常の謎」系ということで似鳥鶏*1という方の小説を読みました。 買ったのは出張に出たときのことです。乗換駅で慌てて飯をかっこんだあと、駅ビル内の本屋で一冊だけおいてあるのを手に取りました…

遠まわりする雛

米澤穂信の古典部シリーズ第4弾は短編集です。主人公の高校進学直後からの数ヶ月を描いた『氷菓』、夏休み最後の数日を描いた『愚者のエンドロール』、文化祭の3日間を描いた『クドリャフカの順番』は、それぞれ大きな事件に関わった時間を描いていましたが…

クドリャフカの順番

米澤穂信の古典部シリーズ第三作。 前作で夏休み最後の週を『女帝』事件の謎解きのために「浪費」した折木奉太郎を始めとする古典部の面々。福部里志の原稿の遅れも乗り越えて無事に古典部伝統の文集「氷菓」も完成します。 ところが、文化祭直前になってと…

愚者のエンドロール

米澤穂信の古典部シリーズ第二作。 前作で高校1年生の春から夏にかけて、33年前に学校で起きた出来事を発端とする氷菓事件の全容を解いた、主人公折木奉太郎。省エネをモットーとし、必要のないことはしない主義を貫きたい彼ですが、氷菓事件を解決したばっ…

氷菓

先日、米澤穂信の古典部シリーズを紹介したのですが、読み返してあまりの稚拙さに自分でも嫌になってしまいました。もう少しましな文章を書かんかい、と自戒を込めて、改めて紹介します。氷菓 (角川文庫)作者: 米澤穂信,上杉久代,清水厚出版社/メーカー: KAD…

省エネ高校生探偵

省エネを以て是とする、非アクティブ系の高校生である折木捧太郎(おれきほうたろう)は、高校OGである姉に無理矢理入れられた「古典部」の初日、千反田える(ちたんだえる)と出会います。 3年連続入部希望者0で無人のはずの古典部になぜ人が。しかもいつの…

教養として自然科学の勉強したいんだが、簡単な本教えろ

【2ch】ニュー速クオリティ:教養として自然科学の勉強したいんだが、簡単な本教えろ はてなブックマーク - 【2ch】ニュー速クオリティ:教養として自然科学の勉強したいんだが、簡単な本教えろ 幅広すぎて。 教養としてなら、日経サイエンス10年分とかで十分…

非合理と不条理の狭間で

いつ頃か覚えていないのですが、メールでやり取りするときに文書をExcelで送ってくる人が居ることに気づきました。アクション・アイテムの表をExcelでやり取りすることは昔からやっていましたが、単なる文書、それもいくつもの節に分かれるような文書をExcel…

出口無き作品集

akuninさんがパジャマでうろつきまわる女の子で私を釣ろうとしています。本当に悪い人だ。そもそもそんなことで私をバンコクに釣れると思っているのでしょうか。 例え、昨日買ったのが山本直樹であったとしても明日また電話するよ作者: 山本直樹出版社/メー…

読む毒薬

気持ちが前向きで、どうして自分ばかり幸せなんだろう。こんなに幸せで良いんだろうか。毎日がばら色で困っちゃう、と言う方にお勧め。動物農場 (角川文庫)作者: ジョージ・オーウェル,George Orwell,高畠文夫出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1995/05メデ…

コンピュータ支援革命

革命運動の中で、 隣接細胞との間の通信を迅速且つ安全にし、 送り込まれてきたスパイを管理・隔離し、 銀行から資金をちょろまかし、 支配者のシステムを混乱させ、 攻撃のためのシステムを極秘に開発する には、どうしたらいいか? 答:支配者側のマスター…

旅人との遭遇

2077年9月11日、ヨーロッパ上空で大気圏に侵入した小惑星は北イタリアの平野に衝突し、多くの人命と共に人類の文化遺産を葬り去ってしまいます。これを受け、スペースガードが結成され、地球に接近する小惑星をしらみつぶしに探す活動が始まります。 スペー…

SFが衰退した理由がここにある

白鹿亭綺譚 (ハヤカワ文庫 SF 404)作者: アーサー C.クラーク,平井イサク出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1980/08メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 37回この商品を含むブログ (33件) を見るクラークによるほら話集です。 テムズ川を眺めるロンドンの一角…

思い出/自慢話が退屈でない稀有な例

先日の秋葉原での無差別殺人事件で、私が一番不愉快だったのは犯人が取り押さえられた瞬間を撮影した人に、「私にも写真のコピーを」とたくさん携帯が差し出されたという話です。きっと呑み屋で友達と携帯を囲んで「これだよ」「へー」と楽しく盛り上がるつ…

古典的SFとしてもっと認められるべき

山椒魚戦争 (岩波文庫)作者: カレルチャペック,Karel Capek,栗栖継出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2003/06/13メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 34回この商品を含むブログ (50件) を見るこれも飛行機の中で一気読み。 タイムスパンは大体10年から15年く…

没稿集

飛行機の中で一気読みしました。失われた宇宙の旅2001 (ハヤカワ文庫SF)作者: アーサー・C.クラーク,伊藤典夫,Arthur C. Clarke出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2000/04メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (21件) を見るクラークとキューブ…

救いを拒絶する

藤田和日郎の作品には救いを拒絶する人物が頻繁に顔を出します。「うしとら」の鏢、秋葉流、凶羅、「夜に散歩しないかね」の主人公、「瞬撃の虚空」のサキサカ・ケンジロウ、「邪眼は月輪に飛ぶ」の鵜平などなど、あるものはしくじりから、あるものは道を踏…

解放者

ふと目を遣った本屋の平台に山積みされている真っ赤な本。軽快なポップにはこうありました。 「今、なぜか売れてます」蟹工船・党生活者 (新潮文庫)作者: 小林多喜二出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1954/06/30メディア: ペーパーバック購入: 12人 クリック:…

ちょいと嘘がありますけどね

1989年というと、私が就職して2年目。残業残業休日出勤でへとへとになるまで働いていたころです。最強のPC用プロセッサは80386かMC68030。どちらも浮動小数点演算機能を備えておらず、命令実行には数サイクルを要していました。特に乗算には大きなサイクル数…

ペンギンになった不思議な鳥

本の感想を書くときには、少しもってまわった枕を書くことにしています。ですのでエントリーのタイトルも幾分ひねりを聞かせているつもりです。しかしながら、いやはや、この本のタイトルは直裁かつひねりが効いていて、降参してしまいました。ペンギンにな…

色あせない生々しさ

最後のページにこう書いてあります。 「本書は1989年2月に現代教養文庫から刊行されたものです」 え? おかしい。私は学生時代に友人であるMに紹介されて読んだ覚えがあります。だとすれば1988年以前のはず。その答えは訳者あとがきにありました。 この本は…

手の届かないものを手の届くところに

高校や大学初年で勉強した解析学では、「無限」を到達できないけどそちらに向かっていくらでも大きな数を用意できるものとして扱いました。実際には扱ったわけではなくて、扱わないけどそういう概念があるのを利用したということです。「無限」に魅入られた…

文明を離れて

あまり手記というものを読みません。特に理由はないのですが食指が動かないとしか言いようがないです。そのせいかどうか、私小説という分野も一向に手が伸びません。いや、私の場合小説そのものにあまり関心がないですが。 ということは、この本を買ったのは…

品種改良

かれこれ10年前の北海道旅行でした。残すところ二日という朝に中標津のキャンプ場を発ち、長万部への長駆へと出たわけですが、あいにく折からの雨。がたがたと震えながら徐々に変化して行く松山千春の頭髪*1を横目に見み、十勝平野に出たのはようやく昼ごろ…